■ 子宮・卵管因子の検査
■ クラミジア検査
− ク ラ ミ ジ ア 検 査 −
クラミジア感染について
近年若年者を中心にクラミジア感染症は増加しています。感染は中高生にまで拡がっており、性教育の充実のみならず性に対する道徳教育の必要性が実感されます。将来、クラミジア感染が原因の不妊症の増加が予想されます。クラミジア感染は他の細菌と違い感染してもあまり強い症状が出ないことが多く、知らず知らずのうちに感染がお腹のなかに拡がってしまうことがあります。感染経路は、性交渉により子宮頚部に感染(子宮頚管炎)し、子宮(子宮内膜炎)から卵管(附属器炎)、骨盤の腹膜(骨盤腹膜炎)、更には肝臓まで上がって腹部全体(肝周囲炎)に拡がります。卵管とその周囲に感染が及ぶと卵管の狭窄・閉塞や卵管・卵巣周辺に癒着が起こり卵管性不妊の原因になります。卵管の狭窄・閉塞が起こらなくても卵管のなかにある線毛の動きや卵管の蠕動運動が障害されて、卵の輸送ができなくなります。これらは不妊の原因になるだけでなく、子宮外妊娠の原因にもなります。
夫婦のどちらかに感染が認められれば、相手の方にも感染が起こっている可能性が高いので、検査・治療が必要になります。
検 査
クラミジアの検査には子宮頚部の細胞を採取して直接クラミジア抗原を調べる方法と血液検査で抗体を調べる方法があります。それぞれ利点欠点がありますので、両者を使い分ける必要があります。クラミジア感染のスクリーニングとしては血液中の抗体価(IgG, IgA)の測定を行います。クラミジア陽性症例の15-30%に淋菌の混合感染があるとの報告があり、クラミジア感染者では淋菌感染のスクリーニングをすることも必要になります。 必要に応じて抗原検査を追加します。抗原検査が陰性であっても、クラミジア感染が否定できるわけではありません。抗原検査はあくまで子宮頚部のみの検査ですので、既に頚部にはクラミジアは存在せずに、卵管や腹腔内に上がってしまっている場合には陰性に出ることになるからです。抗原検査の利点は治療の効果判定に使えることです。一方、抗体検査は治療の効果判定に使うのにはむいていないようです。感染治癒後にも 抗体価(IgG, IgA)陽性が持続することがあるからです。
男性は血液検査や泌尿器科で尿道粘膜から抗原の検査をしてもらいます。
治 療
クラミジアに感受性のある抗生物質を内服します。
当院では妊娠していても内服できるマクロライド系の薬を処方します。夫婦同時に治療することが望まれます。
ジスロマック1000mg 1回のみ、またはクラリシッド200mg 朝夕1週間内服 が基本です。1月後に抗原検査(治療前の検査で陽性だった方)で効果判定をします。
参考文献
(1)熊本悦明ほか:日本における性感染症(STD)サーベイランス、2002年度調査報告、日本性感染研究会誌 15(1):17、2004
(2)野口靖之ほか:STDと不妊症 今日の不妊診療 鈴木秋悦編 医歯薬出版 2004 |
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